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新たな子宮頸がんワクチンがついに日本でも承認!!

こんにちは。子育てママのゆきです。

このたび、「9価ヒトパピローマウイルス(HPV)のシルガード9」という新たな子宮頸がんワクチンが日本でついに承認されました。
日本では、これまで、子宮頸がんから最も多く検出されるHPV16型、18型という2つの型への感染を防ぐ2価ワクチン(サーバリックス)と、その2つの型に加え、良性のイボのような尖圭コンジローマの主要な原因となる6型、11型を防ぐ4価ワクチン(ガーダシル)しか承認されていませんでした。

今回承認された9価ワクチンは4価ワクチンがカバーする4つの型に加え、やはりがんになりやすい5つの型も含めた9種類の型への感染を防ぐものです。
実はこのワクチンですが、子宮頸がんの90%以上を防ぐ効果があるとして、世界の先進国ではすでに主流となっており、承認国は約70か国にも及んでいるのですが、日本だけ承認が遅れていたんです。

そもそも子宮頸がんワクチンって効果あるの?

まずここで皆さんにお話ししておきたいのが、子宮頸がんがどのようにして発症するかということです。

子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因となっています。HPVは100種類以上の型があり、発がん性のある高リスク型と、尖圭コンジローマや良性腫瘍の原因となる低リスク型に分類されます。

HPV感染から子宮頸がん発症まで 

子宮頸がんの原因となる高リスク型HPVの主な感染経路は性的接触です。
HPVはごくありふれたウイルスであり身近な生活環境に存在しています。
性器や口などを介して男性にも女性にも感染します。
またコンドームなどを用いても、感染を完全に防ぐことはできないと言われています。そのため過去に1度でも性交渉の経験がある女性ならば誰もが感染するリスクがあるといえます。

データによって差はありますが、最大80%の女性が生涯のうち一度はHPVに感染すると報告されています。

HPVは性的接触で子宮頚部(入り口)の粘膜の細胞に感染し、細胞の変化(軽度異形成)を起こしますが、多くの場合は、免疫の働きなどによってウイルスは排除されます。そのため、一過性の感染に終わり、病気を発症することはありません。
しかし免疫低下や何らかの原因でウイルスが排除できずに持続的に感染を起こすと、中等度~高度異形成(前がん病変)となり、その一部が子宮頸がんに進行してしまいます。

ワクチンでHPV感染を予防

では実際に、ワクチンによって本当にHPV感染を予防することができるのでしょうか。皆さんもそこが気になりますよね。

2 価ワクチン、4価ワクチンとも発売前のそれぞれの大規模な臨床試験において、未感染者においては、HPV16/18型の感染をほぼ100%予防し、HPV16/18型による前がん病変の発生をほぼ100%予防することが明らかにされています。

このエビデンスから、欧米の多くの国では、2006年~2008年に9~13歳(国によって異なる)の女児を対象としたHPVワクチンの定期接種プログラムが開始されているんです。

HPVワクチン最も効果的なのは?

そしてもう一つ重要なのは、ワクチンはHPVの感染予防を目的とするもので、すでに感染している細胞からHPVを排除する効果は認められていません。 

そのため、初めての性交渉を経験する前の10代前半の子どもたちに接種することが最も効果的なのです。

性交渉経験がある世代はワクチンは無意味?

では、性交渉の経験がある人にとってはワクチン接種はもう無意味なのでしょうか?

性交渉経験があったとしても、16型・18型の両方に感染しているケースは極めて少ないため、例えばワクチン接種時に16型に感染していても、18型に感染していなければ、接種の意義はあります。
また、HPVは一度自然感染しても、免疫を獲得しにくく、何度でも感染を繰り返し得ると言われています。

これまでの研究でワクチン接種後、10年以上予防に必要な高い抗体価を維持できることが分かっていますので、ワクチンを接種して次の感染を防ぐことも意義のあることですね。

16/18型は特に子宮頸がんへ進行する頻度が高く、スピードも早いと言われています。この2種類の感染を予防することで、子宮頸がん全体の70%程度が予防できると考えられています。

今回新たに承認された9価ワクチンは?

今までの2価/4価ワクチンの適切な接種により、子宮頸がんの60~70%の原因となるHPV16型・18型の感染は予防できますが、その2つ以外の型のHPV感染による子宮頸がんの発症は予防できませんでした。

今回承認された9価ワクチンは9つの型(6・11・16・18・31・33・45・52・58型)をターゲットにしており、子宮頸がんの原因となるほとんどのHPV型を網羅できるため、普及すれば子宮頸がんの90%あるいはそれ以上が予防可能になると期待されています。

日本でのワクチン接種の現状は?

日本では、2013年4月からHPVワクチンが定期の予防接種となりました。

しかし、接種後に慢性疼痛や運動障害などの多様な症状が報告され、わずか2か月後に厚生労働省は、接種勧奨を差し控えるという発表をしたのです。

その後も定期接種は継続し、小学校6年生~高校1年生相当の女子は公費(無料)で接種できるにもかかわらず、かつて約70%だった接種率は0%近くまで激減してしまいました。
この間も海外では、HPV感染率の低下や前がん病変の減少はもちろん、がん罹患率の低下も報告されるようになりました。
子宮頸がんの90%以上の予防が期待される9価ワクチンが主流となりつつあり、男子への接種の承認も広がっているのです。

また世界保健機関(WHO)が世界中の最新のデータを継続的に解析し、HPVワクチンの安全性も示してきています。
日本においても、厚生労働省の調査で、ワクチン接種後の「多様な症状」とワクチンとの因果関係は証明されませんでした。

このように国内外でHPVワクチンの安全性と効果が示されているにもかかわらず、6年以上もの長期にわたり、接種勧奨が再開されないままとなっているのです。

あるデータによると、日本でのHPVワクチンの「積極的勧奨の中止」により、1994~2007年の間に生まれた女性だけでも、一生涯のうち24600~27300人が子宮頸がんに超過罹患し、5000~5700人が死亡すると予測されています。
直ちに積極的勧奨が再開され、かつ9価ワクチンの承認により、12歳~20歳の女性のワクチン接種率を2020年中に50~70%程度まで回復できた場合、子宮頸がんの超過死亡の80%の命を救うことができると推定されており、積極的勧奨の再開が期待されています。

あとがき 

子宮頸がんは年間10000人が罹患し、この病気で約2900人が命を落としています。また、発症する人の年齢がだんだん若くなる傾向にあります。

日本でもついに、HPV9価ワクチンが承認され、10代の若年者たちが公費で接種を受けられる定期接種へ向けての審議が始まりました。

今回はこの9価ワクチンが日本でも承認されたというニュースとともに、子宮頸がんとHPVワクチンについてお話しました。

一度ご家族でも、子宮頸がんワクチンについて話し合ってみてはいかがでしょうか。

引用・参考:日本産婦人科学会HP
神奈川県医師会HP 北海道大学HP

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