ロゴリニューアルで新たな挑戦へ|元任天堂・株式会社NASU 代表取締役 前田 高志 氏の勝てるロゴデザインをチームで体感

コーポレートロゴおよびタグラインを一新し、5月2日に公開しました。リニューアルされたロゴは元任天堂デザイナー前田高志氏率いる株式会社NASU(本社:大阪市、代表取締役:前田 高志)によってデザインされ、コンセプトワークから始まる「勝てるロゴデザイン」をチーム全体で体感し、これから100年、200年と続く企業として納得できるロゴが完成しました。

私たちはリニューアルされたロゴをシンボルとして気持ち新たにチーム力を高め、これからも生まれることのできなかった、たったひとつの命でさえも取り残されない未来を実現していきます。

今回発表された株式会社With Midwifeの新ロゴ

With Midwife 新ロゴ(アートディレクター:前田高志、グラフィックデザイナー:久本晴佳)

ロゴリニューアルの背景

「生れることのできなかった、たったひとつの命でさえも 取り残されない未来の実現」、この言葉は初期からずっと私(岸畑)が言い続けてきた言葉です。2018年6月、たったひとりで始めたWith Midwife(旧:Midwife for Midwives)の活動も、約4年経った現在では30人以上のチームと50社以上の私たちの理念に共感しお取引していただける企業・団体とともに少しずつ広がりを見せています。

顧問助産師サービス「The CARE」

昨年は初めてのクラウドファンディングにも挑戦し、そこで制作した「ゲーム体験から生まれた感情を学びにつなげる協力型性教育ボードゲーム Genie」のプロダクトデザインおよび特設Webデザインをしてくださったのが、株式会社NASUのみなさんです。

性教育ボードゲームGenie

デザインのもつ力、そしてNASUのみなさんの勝てるデザイン思考に魅了され、今回のロゴ制作についても相談させていただきました。私が旧ロゴに対して感じていたのは以下の点です。

1. 使いにくさ

他のデザインと合わせた時に浮いてしまう。

2. コンセプト不足

初期に制作したものであり、しっかりとしたコンセプトが考えられていない。チームがシンボルとして意識しづらい。

3. 事業成長とのバランス

個人事業から組織として成長するにあたり、ブランド感よりも信頼感、企業感のあるロゴが必要。

旧ロゴは弊社ブランディングマネージャーの井本が、起業当初に制作しました。ジェンダーレスな印象で、Wの形をしたMへは、助産師という英単語の語源である「Mid(寄り添う,With)」「wife(女性)」、Midwife(寄り添う女性)の中には”With(寄り添う、そばにいる)”があるということを意識した、1番最初を支えてくれたロゴです。思い入れの深いロゴだけに、上記のような不便を感じてはいたものの使い続けたいという気持ちがある中で前田氏に相談をしました。

ロゴ制作の過程

まずはロゴのリニューアルにあたり、私に対する公開ヒアリングを実施していただきました。その後、コンセプトワークをチーム全体で実施しました。その一過程をお見せします。(最重要な項目は一部を目隠ししています。)

コンセプトワークの一部

今回のロゴを、私一人ではなくチーム全体が同じ方向性を向くためのシンボルにしたいと考えており、この過程はとても重要でした。一方で全体の意見を求めるあまり、岸畑個人の意見を十分に主張できず制作サイドを困らせてしまうというハプニング(?)もありましたが、株式会社NASUからの最終プレゼン時には弊社スタッフ全員が鳥肌が立ちました。勝てるロゴデザインの結果“産まれた”、With Midwifeの新ロゴがこちらです。

With Midwife 旧新ロゴデザイン

新ロゴに込められた想い

私たちは、助産師の会社です。「大名行列も助産師だけは横切れた。」という逸話があるほど、助産師という職業は昔から当たり前にそこにあり、そして命を見守ってきた需要な存在だと感じます。そんな深い歴史の中で大きな変化が起きた、戦後の出来事をご存知でしょうか。1940年代、戦争に負けた日本はGHQの指示により日本産婆協会を解散させられ、それまでほぼ100%だった自宅分娩から病院での分娩(出産)への転換を求められました。その結果10年後には半数以上が病院での出産となり、日本の出産環境は急速に変化しました。この出来事自体は高度医療の迅速な提供が可能となり、新生児死亡や周産期死亡を低下させるというメリットもありましたが、デメリットもあったのではと考えます。かつての助産師は地域で出産だけではなく、子どもたちの性教育や妊娠中のサポート、出産はもちろん産後の育児支援や、夫婦関係の相談、女性の健康をサポートする社会的存在でした。一方で出産が病院へ移行したことにより、出産介助以外の助産師のスキルを発揮することが難しくなり、地域社会には【不妊や中絶、産後うつ、虐待】などの社会課題が取り残されてしまいました。数十年で変わってしまった環境なら、今の時代にあった形でもう一度戻せる。伝統を受け継ぎ、新しい手法を掛け合わせることで、私たちは社会を変えられる。そしてその仕組みを後世に繋げるため、企業として実現させると決意を込めたロゴが完成しました。

Wのシンボル

ロゴの概要

右上に伸びていくようなWのシンボルは、変化を恐れず新しい価値の道を作りながらいく「With Midwifeらしさ」を表しています。 受け継がれてきた助産師の価値を「助産師の会社」として社会に取り戻していく。 家族へ、企業へ、助産師へ。 多様な価値の道を作り続け、共に社会に革新を起こしていく。 なめらかなカーブと凛とした直線は、命を包み込むような柔らかさと時代を俯瞰し挑戦することを決めた覚悟を表しています。 ロゴマークは器です。 変化しながら、100年、200年続く助産師の会社として、たくさんのストーリーで満たしていきます。 まだ見ぬ道を共に歩みましょう。

新ロゴに込めたWith Midwifeのストーリー

3つの「I」と3つの「W」

新ロゴにある、道(Way)をイメージづける3つの「I」、そして旧ロゴの遺伝子を受け継ぎ今回も同じ形をしている3つの「W」(Mを反転)。ここには私たちの行動指針を込めました。

3つの「I」: 社会に向けたWith Midwifeの行動指針

image(想像する)

私たちは、自分を大切にし相手を尊重することを常に意識します。そのためには、表面的な姿や、言葉を鵜呑みにするのではなく、相手の立場に立って、そしてその深意まで汲み取る努力を惜しみません。

interact(協力する)

私たちは、自分たちでできないこと、弱みも認め、諦めます(明らめます)。そして、他者と協力することで補い合い、時には強みを掛け合わせて想像を超える価値を提供します。

innovate(革新する)

私たちは、革新とはただ新しいことを産み出すことではないと考えます。今あるものを疑い、組み立て直すこと。今まで交わらなかったことに挑戦すること。俯瞰的に社会を見つめ、内なるリミットを外し、日常の小さな場面から革新を起こします。

3つの「W」: チームに向けたWith Midwifeの行動指針

way(道)

私たちは、まだ見ぬ未来につながる道の上にいることを忘れない。時に、前例がないこと、正解がわからないことを不安に思うこともあるだろう。でも、前例は誰かが作った「過去」。理想と共にしか前に進めない。自由な発想と、挑むことへの覚悟、苦労を分かち合う仲間と共に、私たちはまた新しい道を作り続ける。

worth(価値)

私たちは、「価値」を産み出すためにここに集まっている。ただ無作為に動くのではなく、価値を創り出すために共に働いているということを忘れない。ギブファースト。自分だけが成り上がるのではなく、どんな人も価値を感じられる、創れる環境や機会を提供する。

wisdom(知性)

私たちは、命に関わる情報を扱っていることを常に自覚し、発信する。医療現場にいる、いないに関わらず科学的根拠を意識し、新しい知見を得て自らの専門性を磨き続ける。そして、自分にも他人にも厳しい目を持って「それが本当に正しいか?」を指摘する機会を恐れない。

コンセプトワークから共にチームで話し合ったからこそ生まれた行動指針です。新ロゴをシンボルとして、私たちは上記の行動指針に基づき、ビジョン達成のために挑戦していきます。

新ロゴデザインを手がけた前田高志氏からメッセージをいただきました。

ロゴをデザインするということは子どもを産むことと似ている

株式会社NASU 代表取締役 前田 高志 氏

創業から大切にしてきたロゴを作り変えることは大きな決断だったでしょう。そんな大切なロゴに勝てるのか?弊社にとっては大きな挑戦でした。今回、代表の岸畑さんから「スタッフみんなで作りたい」というとても素敵な打診がありました。With Midwifeのみなさんとじっくり打ち合わせを重ね、助産師の価値や夢や思想への理解を深めていきました。そして、以前のロゴのDNAを継承し、より強い意志を持ったロゴが誕生しました。みんなで作ったからこそ生まれたデザインです。これ以外のデザインはありえましょうか。 この新しいロゴが永くWith Midwifeのみなさんに寄り添い、機能していくことを確信しています。

アートディレクター:前田 高志
グラフィックデザイナー:久本 晴佳

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