「3足のわらじ」で活躍する助産師の会社、助産学生に向け2大学合同講義を実施

潜在助産師3.5万人をどう活用する⁉︎ 学生が挑むアイデアワーク

 株式会社With Midwife(本社:大阪市都島区、代表:岸畑聖月、以下With Midwife)は2025年7月11日(金)、自社オフィスにて滋賀県立大学大学院および神戸大学大学院で助産師教育課程に在籍中の学生計9名を対象とした講義を実施しました。臨床助産師・企業内助産師・経営者という三つの役割を持つ、With Midwife代表の岸畑が講師を務め、自身の起業体験や全国に約3.5万人いる「潜在助産師」の現状を提示。ワークショップや自社事業「THE CARE」の紹介を通じ、助産師の活躍領域拡大と、その専門性を活かした社会課題解決への可能性について語りました。

開催概要

2025年7月11日(金)、With Midwifeは大阪市都島区の自社オフィスにて、滋賀県立大学大学院(人間看護学研究科・助産師育成コース:4名)および神戸大学大学院(保健学研究科・助産師コース:5名)の計9名の助産学生を対象に、90分の講義を実施しました。

■プログラム

・登壇者自己紹介

株式会社With Midwife 代表取締役 岸畑聖月

14歳の闘病の経験から助産師を志し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。在学中にウェディング2次会事業を起業し経営を学び、卒業後は関西最大級の総合病院で助産師を務める。助産師3年目で2度目の起業、株式会社With Midwifeを立ち上げる。現在は臨床助産師、企業内助産師(※)、経営者という三つの役割を共立し、複数のビジネスプラン発表会にも参加した実績を持つ。一連の活動を追ったドキュメンタリー「孤育て」はYouTube再生回数60万回を超える。
※企業内助産師とは:株式会社With Midwifeが提供するサービス「THE CARE」導入企業のオンライン相談を担当する、企業専属助産師のこと。

・助産師の定義と現状

戦前「産婆」と呼ばれた助産師は、地域社会で妊娠前後支援や子育て支援、性教育を担っていましたが、戦後はGHQにより活動が病院に集約されました。その結果、社会には産後うつやパートナーシップ問題、核家族化など多様な課題が取り残されています。
また、現在、資格を持ちながら助産師として実務に従事していない「潜在助産師」は約3万5千人に上ると言われています。

・ワークショップ:新たな活躍領域の発想

学生は3名ずつのグループに分かれ、「助産師が少しでも活躍できそうな仕事」をテーマにブレインストーミングが行われました。学生グループからは、「歯科クリニック内に赤ちゃん預かり施設を設置する」「学校で性教育プログラムを運営する」などのアイデアが発表されました。

・女性のライフステージに合わせたケアの重要性

特に女性は、ライフステージごとに支援の“断絶”が起こりやすく、それまでの支援の経緯や背景、ニーズなどが見失われがちです。そのため、生涯にわたる継続支援こそが大きな価値を生む鍵となります。

このような課題に対し、助産師は妊娠・出産・産後ケアから新生児ケアまでを一貫して担う専門性と、幅広い知見で性別/世代を問わず価値を提供できる医療知識という2つのコア・コンピタンス(競合他社に真似できない核となる能力)を併せ持ちます。

岸畑は、助産師の専門性を活かし、企業内助産師が働く女性(およびその配偶者)と行政・医療機関・自治体をつなぐチャネルを担うという仕組みを構想しています。

・オフィスツアー

講義の最後には、学生たちがWith Midwifeのオフィス内を見学しました。With Midwifeでは柔軟な働き方に対応しており、各地からリモートで出勤する社員の様子もみられました。
学生からは積極的に質問が出され、With Midwifeの社員が、働き方に関することや、働くうえでのマインドに関することなどに回答しました。

受講した学生からは、「少子化が進み、助産師になりたくても就職先が見つからない状況になってきています。そんな中で、今回の講義に参加して希望を持つことができました。」と好評の声が聞かれました。

With Midwifeは、今後も助産師の専門性を活かして社会課題解決するのための活動や、助産師の専門性を高めるために、リスキリングプログラム「License says」などを通したスキルアップや新たな活躍の場を支援することを続けていきます。もし、未来の助産師である助産学生や看護学生様の学びの一環としてお力添えできることがありましたら、ぜひお問い合わせください。

With Midwifeが提供する、病院外での活躍の場-企業内助産師

THE CARE:https://the-care.withmidwife.jp/

With Midwifeでは、前述の潜在助産師の活用や、産後うつ・不妊治療といった社会課題を解決するために、医療専門家(ウェルネスコーディネーター)による健康相談サービス「THE CARE」を提供しています。

THE CAREとは、働く人を取り巻くライフイベントやキャリアに関する悩みを24時間365日専門家に相談することができる、伴走型の従業員支援サービスです。

導入企業の従業員は、専用のアプリを使用して、チャットやテレビ電話を通じた匿名でのオンライン相談ができるほか、定期的な健康情報の閲覧や育休サポートプログラムなどを利用することができます。

サービスの最大の特徴は、看護師・助産師(・保健師)の国家資格を併有する医療専門家=ウェルネスコーディネーターが相談に対応すること。複数の国家資格に基づく知見を活かし、健康に関する医療知識だけではなく、妊娠・出産や女性特有の悩み、キャリア相談などにも対応しています。

With Midwifeはこのサービスを通して、病院の外でも、助産師の専門性を働く人々やその家族に届けることを可能にしています。

「助産師の価値を再び社会へ取り戻す」-With Midwife代表・岸畑の決意から生まれたサービス「THE CARE」は、これからも社会課題の解決に向けて進化を続けます。

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