僕たちを導いてくれたんですよね。逆にそうやって言ってくれる人が、僕にはもういなかった。

タカラベルモント株式会社 メディカル事業部 事業部長
石黒 昇

今回のリレーションシップは、タカラベルモント株式会社 メディカル事業部 事業部長 石黒 昇さんです。With Midwifeの可能性を広げてくれたきっかけとなったといっても過言ではありません。苦しいことも楽しいことも共にしてきたこれまでを、インタビュアー岸畑と振り返ります。

石黒さん、メディカル事業部で何をめざしているんですか?って聞いてきたんですよね。

岸畑:最初に、出会ったのって覚えていますか?

石黒さん:きっかけ、覚えてますよ。きっかけは私じゃなくて、部下の松村でした。ちょうど3年前かな。2019年の5月に松村萌とウィメンズヘルスの取り組みをやっていこうと思った時に、いろんなSNSとかで人を調べていて、そこで岸畑さんを見つけてコンタクトとったら会いましょうとなったんですよね。それで2人で行ったのがきっかけです。

岸畑:そうですね。その時はまだ幼くて、ご足労させてしまいましたよね。そこから、本格的に取り組みがはじまりましたが、その決め手ってありましたか?他にも助産師はたくさんいたと思います。

石黒さん:TBスクエアで打ち合わせをした時に決め手、ありましたよ。それは岸畑さんが僕にいろんな気付きを与えてくれたこと。「石黒さん、メディカル事業部で何をめざしているんですか?」「そもそもどうして分娩台を作ってるんですか」って聞いてきたんですよね。

岸畑:(笑)本当に失礼ですよね。反省します!(笑)でも確かにその時は私も事業を立ち上げたころで、”なぜやるのか”を反芻して考えていた時期でした。

石黒さん:いやいや、でもありがたかったです。あの問いがないと今も僕はなんとなく仕事そしていたかもしれない。「そもそもなんで分娩台を作ってるんですか」って聞かれた時に僕、正直答えられなかったんですよね。うん。いやだってずっとやってきたから。僕はそれを続けるのが僕の仕事だと思っていた。そんなこと考えたことなかったなって。そこから「喜ばれる分娩台を作りたい。」とそう考えるようになりました。実際、営業に行っても喜ばれたり、驚かれたりってあんまりないんですよね、正直。悪いことを言われることは多いけど。でもその中で、助産師さんのモチベーションの高さや真剣さは感じていた。万人に受けるものはないけど、助産師さんに喜ばれるものを作れば、その結果、妊婦さんにも喜んでもらえると。そう感じました。

岸畑:なるほど。

石黒さん:助産師に納得してもらえる分娩台を作りたい。そこからウィメンズヘルスケアプロジェクトに関しても、岸畑さんに提案をいただきながら、ぼわんとしていた取り組み、やりたいことが次第に明確になってきました。なぜ?どうして?って。そうやって、僕たちを導いてくれたんですよね。逆にそうやって言ってくれる人が、僕にはもういなかった。

岸畑:おそれ多いですが、そう受け止めていただき、ありがたいです。怖いもの知らずでしたね。でも本当にたくさんの対話を重ねましたよね。私と石黒さんとも、たくさんの助産師さんとも。でも石黒さんがすごく優しくて、想いがあって優しい方だったから、そこまで私も必死になって問いを投げられました。

石黒さん:真剣に言ってくれたからね。それは伝わってましたよ。助産師としての岸畑さんも、経営者としての岸畑さんも、今までないもの、インプットを持ってきてくれた。絶対に一緒に何かやりたいと思った。

何度見ても見飽きない、決意を可視化したキービジュアルで伝えたかったこと

岸畑:With Midwifeにとってもタカラベルモントさんとの出会いは大きなきっかけになって。私が法人化を決めたのは、タカラベルモントさんのおかげでした。

石黒さん:そうだったね。法人契約が必要となって、法人化後契約したもんね。

岸畑:そうです。それまでは個人事業主でしたが、それを言われて覚悟ができました。企業は覚悟の連続ですが、あのタイミングも一つの大きな覚悟でした。

石黒さん:そうだね。それから本格的に取り組みもはじまりましたね。今は、助産師さんの視点で製品開発に携わってくれてますよね。あと助産師さんたちの座談会もとてもよかった。病院の外で話すと印象が変わりますね。こんなにいろんな思いをもって働いている人がいるんだって。お母さんや赤ちゃんや守るものがたくさんあるから、営業に行った時も「これはだめ。」とちゃんと伝えてくれたんだって。あと助産師さんたちの知識の幅が広い。性教育もそうだし、更年期もそうだし、女性の一生に関する理解度がすごいなって。みんなもっとこうしたい、やりたいという気持ちが強くて、パワフルで、それを応援したいなと純粋に思いました。

岸畑:確かに、ああいう機会は大事でしたよね。現場にあんなに想いをもっている助産師さんたちが多くいるので、その下支えになることも私たちのやるべきことだと言ってくれましたよね。

石黒さん:リアルな助産師さんたちの声をメディカル事業部のみんなにも聞いてほしいですね。あとは、「美しい姿勢をつくる」というコピーやステートメントを作っていただけたのも大きかった。あの作業は大変でしたが、少しずつ染み付いてきた。

岸畑:私も何度反芻してもいいコピーだなと思います。

石黒さん:キービジュアルも、色褪せない。大概のものは見飽きてくるけど、これは見飽きないし、何度も感動する。いやーいいものを作ってくれたなあと。

岸畑:ありがとうございます。あと、プロジェクトムービーで石黒さんのあの時の言葉を残せたのもよかったと思っています。社内チームで発足していたウィメンズプロジェクトが社内外にあのように発露するには、石黒さんの葛藤や覚悟もあったと思います。石黒さんと出会った時とはまた違う決意を感じました。

石黒さん:そうだね。最初は考えたよ。これ作って、特に社内に発信した時に本当に賛同をもらえるか心配だった。でも僕がここに投資した理由が、今じゃなくていいから1年後、2年後に理解してもらえればいいなと。

岸畑:あれがアンサーだなと思ったんです。私が最初に出会った時に何度も聞いた、「なぜ。」の。だから本当に石黒さんの葛藤や決意が痛いほどわかって…あぁだめだ泣いてしまう…。

岸畑:ちょうどあの動画を昨日、知り合いの医師に見せた時に感動してくれたんですよ。「僕もこのプロジェクトに参加したい」って。

石黒さん:そうなんですか。それは嬉しい。今、実はメディカル事業部よりもそれ以外の部署、例えば広報などもことあるごとに発信しようといってくれて、反応がいいんです。今は会社の取り組みとして押し出してくれている。それが逆にメディカル事業部のメンバーへのプロジェクト理解にもつながっている。

岸畑:製品やサービスだけではなく、ちゃんと”想い”の部分を発信したからこそ、社外だけではなく、今では社内にも大きなチームができてプロジェクトが進んでいるんですね。

石黒さん:僕が6年前に事業部長になった時、「何やりたい?」と聞かれて、売上とかでなくていいのなら、メディカル事業部の存在を社内で大きくしたいって言ったんです。メディカル事業部と理美容事業部では少し社内の立ち位置が違うからです。でも中期三ヶ年では達成できなかったというか何もできなかった。でもこの三ヶ年ではできた気がする。だから逆にここが始まりなんです。

岸畑:なるほど。その事業部ごとの立ち位置は社内の人しかわからないことだと思いますが、これからの3年のことをいうと、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に新しく生まれる命が不要なわけがないし、それを支える分娩台が必要でないわけがない。新しく生まれる命を支えるプロダクトを作っているメディカル事業部はもっとその魅力を発信していいですよね。ここから楽しみですね。

「また産みたい。」と感じてもらえる社会をウィメンズヘルスケアプロジェクトとしては創っていきたい

岸畑:3年間で本当にいろんな取り組みをしてきましたよね。一緒に歩む中で、私たちに対して変化を感じたこととかもあったりしますか?ポジティブならいいのですが…。

石黒さん:ありますよ。まずどんどん人脈が広がっているのがすごいなと思う。また、社員も増えたよね。

岸畑:最初はひとりでしたもんね。初期から知っている石黒さんだからこその言葉です。

石黒さん:変わっているというか、パワーアップしている感じ。逆にいろんな人を紹介してほしい。(笑)

岸畑:確かに。このリレーションシップの企画の意図もそうなんですが、私たちに関わってくれる人は本当に素敵なんです。何者でもない私たちを応援してくれてきた人たちに何かを還元したいし、もっと社会に知ってほしい。さらに私たちを介して大切な人同士もシナジーを生んでくれたら嬉しいです。すでに、アカチャンホンポさんにはいつも撮影協力してくださり、分娩台をお貸しいただいてますもんね。あの動画もすでに4万回再生になっていて、少しでもタカラベルモントさんのことも社会に知ってもらえたら嬉しいです。

石黒さん:すごいですね。

岸畑:そうやって、御社も私たちもパワーアップしていけたら嬉しいですよね。石黒さん、これからのウィメンズヘルスケアプロジェクトをどうしていきたいとかはありますか?

石黒さん:やっぱり、タカラベルモントが女性にスポットを当てた事業をしていることを知ってほしいですね。今日社内の婦人科健診の受診率がかなり低いことを知って、大切な知識や情報はプロジェクトとして社内に向けても発信していきたいですよね。あとはやっぱり、動画でも話しましたが「また産みたい、を叶えたい。」これにつきますよね。また産みたいは物理的に分娩台だけの話だけではなくて、出産をする空間であったり、スタッフや家族との関係性であったり、妊娠中や産後のフォローであったり。すべてを含めて「また産みたい。」と感じてもらえる社会をウィメンズヘルスケアプロジェクトとしては創っていきたいですね。

岸畑:すべての出産を終えた女性がまた産みたいなと感じれる出産環境を創っていきたいということですね。

石黒さん:それが一番かな…。本当にそれがやりたいなぁ、と思う。

岸畑:そうなると、萌さんが言っていたような”日本のお産を変えるプロジェクト”になってくるんじゃないかなと思います。結果的に。

石黒さん:とはいえ、今できることはまだまだ少ないけれど、それをしっかりやりながら、そういったサポートができる事業展開をしていきたい。中には収益事業にならないかもしれないけれども、必要だと感じることは社会貢献としてもやっていきたい。

岸畑:いや…ありがたいです。御社みたいな大きな企業が、いのちにそうやって向き合ってくださって。私たちだけでは達成し得ないことが、こう言った関係性の中から実現できる。本当にありがたいことだなと思います。

石黒さん:そうやって、考えられるようになったのは岸畑さんの問いがあったからですよ。

岸畑:ありがとうございます。これからも同じビジョンをもつ同志として言いたいことは伝え合いながら前に進んでいきたいです。石黒さん、これからもWith Midwifeをよろしくお願いします。

石黒さん:もちろんです。こちらこそよろしくお願いします。

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